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BUMP OF CHICKEN/藤原基央(番外編) August 26, 2005

photo※これは本編の収録直後、テレコが止まるか止まらないかの瞬間に藤原基央から投げ掛けられたトークによる番外編です。


「………………鹿っぺはさ、太ったね」
●………ガーン。
「顔が太ったよ」
●いや、顔だけじゃないんだよ。俺、今ハンパなく太ってるんだ。
「そうなんだ(笑)」
●6kgも太っちゃったの。これ、どうしようかと思ってさぁ。
「じゃあ、もうちょっと行ってみなよ」
●でも最近、道とか部屋を歩いてると角にあたるんだよ、いっぱい。
「それは気のせいだと思う(笑)」
●いやいや、気のせいじゃなくてさ、身体が自分の想定と違うから感覚がズレてるの。自分が6kg太ったってことを精神が受け止められてないからさ。
「それってミリ単位でぶつかるってこと?」
●そうよ。だって人間なんてミリ単位よ? だってなるべく速く行きたい、なるべく楽したいって考えて生きてるから、自分のサイズを計算して動くじゃん? 6kg太るとミリがズレるから、もうすっごくやっかい。
「そっか〜、なるほどね。じゃあ鹿っぺはA地点からB地点に行くまでに障害が2個あればあった分だけ遅くなるわけだ」
●そうそうそう。
「へぇ〜〜」
●っていうかさ、なんで太らないの?
「え? わかんねえ。でも俺ね、『歌うの止めたら太るね』って言われたことある」
●はははははは。
「去年のツアーの時に、長いツアーだったから俺ら結構故障が来ててさ。特に増川が腰が痛いみたいになってて。それでスタッフの人が気を利かせて立派な整体師の方を呼んでくれて、お世話になったんだよ。で、俺は身体がどうとかって興味ないからまぁいいやって思ってたんだけど、『せっかくだから診てもらいなよ』ってことで診てもらって。それで『痩せてるね』みたいな話になったんだけど、『どうしたら太るんすかね?』って聞いたら『たぶん歌ってたら太らないね、君の場合は。そういう体質だよ』って言われた」
●どうして?
「わかんねぇ」
●たぶん、気の問題だよね。
「………そういう話を俺とする?(笑)」
●いや、だってすっごく圧力使って声出してるし、すっごく息継ぎしにくい曲歌ってるじゃん。とてもアスリート的よ、藤は。
「そっかそっか」
●それにしても本当に太らないよなぁ。
「でも鹿っぺは太ったねぇ」
●悪かったなぁ(笑)。でもミュージシャンでも、作品が生まれて世の中に出て行く時とか、ツアーに出て行く時とか、そのために自然と痩せてく人もいれば頑張ってダイエットして行く人もいるし、やっぱり自分の活動のサイクルによって体重の増減がある人が多いんだよね。でも、藤原は何にもないよね。
「ないね。オールウェイズだね」
●……ちょっと太れよ。
「いや、それってさ、たぶん頑張らなきゃいけないじゃん。満腹感以上に、もっと食わなきゃ!って頑張らなきゃいけないじゃん」
●それって藤にとって余計なことなんだろうね(笑)。
「面倒くさい、そういう頑張りは本当に面倒くさい」
●でも3kgは分けてぇなぁ〜、マジで。
「3kgあれば見た目変わる?」
●変わる変わる。
「鹿っぺの話で面白かったというか注目すべき点は、6kg太る前の鹿っぺと太った後の鹿っぺとでは、後の鹿っぺのほうが先の鹿っぺよりもいくらか愚鈍(鹿野註:お前、よくもそれだけグサッと刺さる言葉を無邪気に嬉しそうに温和な表情で投げるよなあ)になってるっていう。これは面白いよな〜」
●………………(本気で落ちている)。
「(もう、落ちてる人などまったくおかまい無しで、ノリノリのまま)移動の性能が落ちてるってことでしょ? そう考えると本当に面白いなって思う」
●悔しいのよ! でも落ちないんだよなぁ……(まあ、落とすような努力を怠っているに違いはないのだが)。
「まぁ俺は10kgの大台に乗って欲しいけどね。『10kg太っちゃったよ〜』っていう大台に」
●…………人の身体だと思って。
「いやいやいや、いやいやいや、やっとこうよ。鹿っぺ痩せる努力とかする人なの?」
●いや、したことない。
「ないでしょ」
●というか、そういうことはよくないと思うからさ。食べれるんだから食べようと思ってる。
「そうだよ! 食べようよ! 鹿っぺが美味しいものもりもり食べてるところ見るの好きだよ?」
●というかね、不安になるのよ。だから食う量は変わってないわけ。要するに放出量(汚い話ですいません)が少ないから太ってるんじゃないかと思うの。でも、今までがおかしかったと思うんだ。1日4回なんて、そんなウンコはし過ぎさ。
「……4回してんのかよ(笑)」
●そういうことじゃなくて、僕は歩いてる時とか考えている時にウーーーッと自分を追い込むから、それで凄くエネルギーを使ってるらしいの。ということは、太ってる=放出してない=俺の中で考えるパワーが衰えてるっていう…………うん。
「俺、真っ先にそれを考えたんだけど、どうなの? その移動性能が落ちてるっていうのはさ…………今ちょっと不安な目になってるけど大丈夫?」
●……確認すんなよ。
「ははははははは(と、肩を叩く)」
●叩くなよ、俺今太ってんだから!
「いいの、いいの。だからね、鹿っぺが俺らの楽屋に来て弁当を2人分も3人分ももりもり食ってんの見てるのは凄い気持ちいいよ? で、ちょっと気持ち悪いよ?」
●気持ち悪いんじゃねえかよ!!!!
「よくこんなに入るなぁと思うよ、本当に。あなたは食うキャラなんですよ、食う人なんですよ。それは死ぬ気で守れって(笑)」
●……嬉しくない。
「移動速度の減衰をも引き換えにして食い続けたほうがいいよ」
●その先の俺には、何があるの?
「いっぱい食った鹿っぺっていうのがいる」
●………………。
「だってさぁ、食うことを制限し始めたら、コロッケ屋やりたい!なんて言ってた鹿っぺはいなくなっちゃうよ〜。鹿っぺは第一項に『食』が来るんだからさ」
●そうなんだよねぇ。でもさ、藤原の言葉を極論にして行くと、俺にとっては食うことが表現だって話になってくじゃない?
「うん、なってくね」
●それはねぇ、俺、違う。
「え、俺はそれで正解だと思ってる」
●……激ショック。
「いやいや、だって凄いことじゃん。衣食住の内の『食』でいろんなこと表現してるんだよ。いや、俺は鹿っぺのライターとしてのものだって凄いと思うけど、それ以前に本能的な部分でいっぱい表現してる。たとえばさ、作られたものに対する評論だったり文章ってさ、第一走者は俺らなわけじゃん。そのバトンを取って鹿っぺが文章に変えて誰かに伝えて行くわけでしょ」
●そうありたいと思ってる。
「で、鹿っぺは、食の時は第一走者だよ。鹿っぺが食い始めて、はじめて俺は『気持ちいい食いっぷりだ』っていうのと『気持ち悪い食いっぷりだ』っていうふうに思うんだよ」
●でもね、俺は第二走者としての自分の人生にとても大切なものがあると思ってる。だから第一走者としての食事はそのための火薬なんだよ。
「だからそれのための食事を諦めんなよ! 二度と!!」
●…………わかった。
「痩せようと思ってるなんて鹿っぺをみんな見たくないよ」
●そうだね? そうだよね?
「そうだよ」
●でもさぁ、もうちょっとカッコいい俺もあるんじゃないかなと思ってさ。
「ああ、ちょっと痩せた鹿っぺってこと?」
●そうそう。
「いや…………どうかな」
●だって痩せてる自分のほうがカッコいいと思うでしょ? でも藤、太ったことないもんな、そうだよな……お前にはわかんないよな……。
「いや、俺は人の前で脱ぐのが本当に無理な人で。本当に痩せてるってのがどういうことか教えてやろうって思えるよ、本当に」
●わかった(笑)。というか、韓国で一緒に風呂に入ったから、わかってる。
「本当に! 痩せてるのがカッコいいって言うんであればね、本当に痩せてるってことがどういうことか――」
●わかった、わかった(笑)。
「わからせてやりたい!!」
●わかったよ(笑)。
「俺ね、中学の時に凄い筋トレしてたの。で、止めたの。原因はねぇ、気持ち悪くなったの、本当に」
●はははははははははは。
「マジで! 同じ事件を増川も味わってるわけですよ、一緒に筋トレしてたから。本当にね、毎日スクワットだ背筋だ腹筋だ腕立てだ何だかんだって、全部を100回ずつとか200回ずつとかいうレベルでやってたんだよね。おかげさまでスポーツテストの記録は随分よくなりましたよ。でもそれと引き換えにねぇ……死にたくなった。あのね、そんな言葉簡単に使うなって言う人が多いと思うけど、簡単には使ってないです、本当に死にたくなった」
●はははははは。
「こんな生き物が世の中にいていいのかな?って思った」
●わかった。じゃあ藤原はそのままの藤原でいるために、今から升の誕生会に行こう。
「うん、行こうよ」
●で、俺は、自分が自分であるために升の誕生会で食い続けるわ。
「うん、食い続けてよ!! みんながみんな喜ぶから」
●…………行こう。
「行こう!!」★



Last Update : 2005年08月27日 (土) 01:10

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