稲妻が走るゼ! 再び荒野に吠えるゼ、最強スモーガス見参!!
生気に満ちた世紀のバンド、その盛期にあたるアルバムが清輝なる光をもって再びスモーガス見参。『球極』―――凄えタイトルの凄え魔球ロック。ロックは「聴く」ものじゃなくて「する」ものだって、もう僕らはわかってしまった。じゃあ、どこまでロックすればぶっ飛べるのか? その飛距離にすべての希望と可能性がかかってる。だから待ってたぜ、スモーガス!
初めて来門を目撃した瞬間を、思い出したよこのアルバム。タコのように、何処までも表現が伸びて届くようなエネルギー。暴力的なほどにハイ・テンションなサウンドによるボディ・ランゲージ。あまた多くの人々は「奴の前に道はねえ、奴の後ろに道が出来る」という。僕らは「来門の前に愛なき世界は広がるが、来門の跡には必ず愛の凱歌が響き渡る」という。突風のような愛の凱歌が響きわたるぜ、おらーっ! 次のドアを開く気持ちを得るために、今日もスモーガス。
メッセージがあるだけではなく、ビートがキレているだけでなく、パワフルでキュートな女性がいるだけでもない。スモーガスは「メッセージが運動している」、そこが凄い。政治の世界は選挙の時だけメッセージ=公約を運動させやがって、終わった途端に密室であぐらかく。だからなーんも届かないんだ、なーんも。スモーガスは届くか届かないかなんて気にしない。何故なら必ず届けに「行く」からだ。行けば届くと信ずる心が、必殺ビートを生み出す。鋼鉄のギターが、ブラッシュアップされたブレイクビーツが、吠えて吠えて吠えまくったリリックが、土足で心臓に挨拶しにズカズカやって来る。時に噛みつき、時に鼓舞し、時に強引に押し倒して唇を奪いながら、「おーい、お前もテンション上げて、光る剣をかざして正義を集約させろよ!!」とグルーヴの力で邪心をなぎ倒す。さすがロック勧善懲悪スモーガス、今ここに堂々復活――――。
前作『エレクトロック』は、バンド初の混沌と闘うアルバムだった。憂鬱とベッドを共にしながら、フラストレイションをスピードと狂気に変えて鳴らすへヴィなアルバムだった。しかし、この『球極』は再びテンション勝負を空に、海に、ライオンに、クジラに、そして闇の住人=フィクサーに仕掛けている。どれくらいハイテンションかというと、熱湯に手が浸かった瞬間、その火傷する瞬間の「アチチチ!」がアルバム中1秒たりとも止まらずに続いてる。そんな感じ。あり得ねー! を成し遂げる力、すなわちそれはメロディーでもビートでもなく、ロックする力だ。スモーガスはそんな原始的なロック・バンドの魔力を放つ天然濾過エネルギーだ。こんな勢い任せなこと、他のロック聴いてもなかなか言えねーな。でもこれがスモーガス中毒。
ブレイクビーツから、4分打ちから、へヴィ・メタリックからハードコア・ヒップホップまで。ジャンルに分ければキリないが、ジャンルは所詮冷やし中華のクラゲのようなもの。「ちょっと待ったあ! クラゲが一番大切だぜ」と言うお前、お前の心がクラゲだ一生シビレてろ。スモーガスはシビレも麻痺も無縁の勇者。憂鬱をなぎ倒し、ジャンクなロックのカタルシスにバッサバッサ落とし前つけます! だってこれ、バンド史上最高作なんだから。