何しろ最高である。クソッタレという言葉を発すると何故あれだけ気持ちがいいのか、ウンコ・ネタが永遠のバイブルな男でいられる自分が何故けっこう好きなのか、その見事な回答になっている最高にクソッタレな映画だ。前売り券を買うとゲロ袋が付いてくるそうだが、あなたも前売り券をきっちり買って、必ずそのゲロ袋を持参して観てもらいたい。何せ映像を撮っているカメラマンが、何度も本当に貰いゲロしてしまうほどゲロまみれな映画だ。僕の1席おいて隣に座っていた男性は途中でトイレに立った。―――間違いなく吐いてたよアイツ。ザマーミロ。
ネタ勝負な映画だから、ネタ漏らしはしない。しかし、本国のMTVの名物番組になっていたという情報や、ベックなどが着ている“jackass”のロゴのTシャツを観たことがある人はいると思う(僕も散々捜して、最近やっと手に入れた)。そう、ウンコやゲロやそれに値するクソネタに果敢に挑戦する大の大人の一発芸が、最長で5分のネタになって次々にドロップされていくアメリカCS放送史上最高の視聴率を稼いだ番組。その映画版にして日本特別版がこれ。番組開始当初から、仕掛け人のひとりとして、あのスパイク・ジョーンズも参加しているものだから、もうウンコが最高にハイブロウなウンコになってしまって大変な映画として仕上がってしまった。カメラのアングルの絶対的なクールネスは、ファットボーイ・スリムやビースティー・ボーイズの全盛期のクリップ、そして写真集『FUCK YOU HEROES』に匹敵するものだ。浦安鉄筋家族が実写になって大人が主人公になったものとも言えるし、ビースティー・ボーイズ珠玉の名作“サボタージュ”のPVがウンコと手と手を取り合って高みに上り詰めた映画とも言えるだろう。どっちにしても最高であることに間違いはない。
アメリカでは2002年に公開され、あの『ザ・リング』のアメリカ版を抜き去って初登場bPをクソ掴み取ったものだ。ケツの穴もチンポもゲロもクソも差別も射撃も出てくる、シャレを超えた地点で笑う映画だ。日本では公開が見合わせられたが、来年の初頭にようやく公開されることになった―――でもやはりR指定映画になるかもしれないらしい。R指定、これは大きな間違いだと思う。ウンコ・ネタに世代も年齢も関係ないのだ。ウンコを前にしたすべての男は、みんなガキなのだ。そこが男の唯一の誇りなのだ。大人だから観ていい、子供だから駄目という物差しでは全く測れない世界なのだ、ウンコの世界は。
見てはいけないものは、この世界に多い。その数ある見てはいけないものの中で最もポップなもの、それが「ウンコ」である。だから僕らはウンコから逃れられない。その最も無垢な気持ちにダイレクトに訴えかけられるこの映画は、世界で最もストレートな精神のドキュメンタリーだ。公開されたら絶対にウケるだろう。というか、男としてこの映画を観ないのは、オナニーが出来ないのと同じことだ。それだけの男のシンボルは女性も体験しておくべきだ。運良くレズビアンになるきっかけを掴めるかもしれない。何せ男は最悪なのだ。僕もあなたも男なら、そんなことは10年生きればわかることだ。
多分上映映画館はゲロにまみれることだろう。だからいくら混んでも、せめて1席おきに座って観るのを薦める。さもなければ、隣の奴のゲロを頭から浴びることになるだろう。