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2007/07/31 (火)

フジロック


 今年もフジロック、3日間、盛り上がりまくった。すべてのフェスの中で、1日も参加を欠かしたことのないフェスはフジロックだけなので、その自分内記録は今年もまた更新されたわけだ。
 今年も去年に続いて、スペースシャワーTVブースにて3日間、何組かの出演者とのトーク・ショーをさせてもらった。イエローカード、ユア・ソング・イズ・グッド、サンボマスター、髭、ザ・バーズ&ザ・ビー、ソイル&ピンプ・セッションズ、フラワー・カンパニーズの皆さん、そして観に来てくれたみんな、どうもありがとう。
 久々に会えた人との会話も嬉しかったです。この場を借りて、みんな何だかんだ言いながら元気でやってんじゃん!と言わせてもらいます。
 そうそう、ミュージック・マシーンのタクヤ君と初めて会えたのも嬉しかった。本当に彼や、彼のWEBメディアであるミュージック・マシーンやナタリーには世話になりっぱなしで、今までお会いしたことなかったのも申し訳ない限りだったし、何しろビール奢りたくて奢りたくて仕方がなかったんだよね。会った瞬間、一目散にビール買いに走っちゃったよ。楽しかったなぁ。

 今年のフジロックは、記憶の中では苗場初年度以来の天気のよさで、まともな雨は最終日しか降らなかった3日間だった(その最終日もずっとじゃなく、一瞬強く振った以外は何となく降ったり止んだりな感じだったんだよね)。いいんだよ、最終日には降っても。初日とかに振られちゃうと、ずっと地面ぐしょぐしょになっちゃうから辛いんだよね。
 しかし、結構、今年のフジロックには「過渡期」というものを、リアリティをもって感じた。
 まず、ゴミが多かった。今までになく地面にゴミが捨ててあった。
 天気がよかったから、飲食の量が多かったことも影響していると思う。しかし、それだけじゃなく、もっと一般的な人達というか、フジロックの独特のノリを知らないか、そういうのがどうでもいい人が、例年以上にたくさん来場していたことによるゴミの多さだった気がする。フジロックから始まったフェス・ブームだが、そのフェス・ブームによって生まれたフェス客が、今年のフジロックには沢山いた印象を受けた。
 
 それと、ap bank fesだけじゃなく、昨今は環境問題やエコロジーを掲げるフェスが多くなった。しかし、その点においてもフジロックはズバ抜けていると思った。決して声高らかに環境やエコロジーを提唱しないが、そういうものが自然とこのフェスには集まってくるんだよね。スタッフ・ジャンバーをNORTH FACEが作っていたり、多くのNGO団体の参加もそうだし。
 このフェスの凄いところは、音楽で生活の理想郷を作り上げようとするところだ。こんな3日間のような気持ちやインフラはずっと続かないけど、それでも3日間だけなら僕らは夢の中に入れて、その3日間を思い起こしながら何日もいろいろな局面を乗り越えられて、そしてまた来年も夢の3日間に想いを馳せることで何とかやって行ける、みたいな雰囲気がこのフェスだけにはある。僕は正直そこまでフジロックに依存していないが、そこまで依存している人は周りに沢山いて、そんな人がかなり愛しい表情でフェスやロックのことを語るんだよね、みんな。

 今年も「原始人」と言われる謎の外人パフォーマンス集団や、雨も降らないのにイカした長靴はいてぺったぺった歩く人々や(どうせ降ると思ったから他の靴持ってこなかっただけかもしれないけど、でも本当に今、フェスのおかげで長靴ブーム来てるしね。今年の旬は“AIGLE”の奴でした。スキニーなシルエットでカッコいいんだよね)、酔っ払って独り言でラップし続けてる人や、いろいろな「勝手」が会場全体に飛び散っていました。
 勝手って最高だよね。それぞれがきちんと勝手に生きていければ、その勝手が時に寄り添ってグルーヴが生まれ、その結果素晴らしいテンションの秩序が生まれたりする。今はさ、その勝手に何かやろうとするパワーが萎えちゃってるから、その萎えた力同士が集まってもたるいグルーヴしか生まれないし、その結果の秩序なんて参議院選挙のそれと大差ないというか、なんか「どっちが駄目か考えてみよう」みたいな感じで。つまり、最悪。
 フジロックに集まった勝手なパワーは、それこそが環境に対する人間のあり方の大切な部分だと思ったし、レゾナンスそのものなんじゃないかなと思いました。

 今年の僕のベスト・アクトは、「バトルス」。
 そしてベスト・フードは、3年連続で「ビッグ・ママのもつカレー」でした。
 他にも、久々にモード・チェンジを果たした――それこそ『サレンダー』のツアー以来だと思うんだよね――ケミカル・ブラザーズや、80年代バンドの中ではかなりストイックに00年代的なアレンジを施していたキュアーや、相変わらず何も考えていない、おまけに遂にべズの腹までブックブクになってしまったハッピー・マンデーズや、狂った重低音ビートと完璧なまでのマイナー・コード展開で独自の狂騒を演出したジャスティスや、ホワイトのメイン日のトリを無事に務め上げた日本の誇る衝動ダンス・ロック、ブンブンサテライツなど。
 方や、相変わらず美味しかったパエリアや、ふき味噌をまぶしてみたら死ぬほど美味かった苗場食堂の卵かけご飯や、あんた牛タン屋の老舗なんだから七味唐辛子切らすのはやめてくれよな利休の牛タン弁当や、新設されたストーン・サークル・エリアの「マンモス焼き(はじめ人間ギャートルズに出てきそうな、骨付き肉バーグのこと)」や、やっぱフェス会場で食べる釜焼きピッツァはチーズがすぐに固まるからダッシュで食うべしな無茶苦茶美味いチーズ・ピッツァや、意外と美味いところ天国の肉々しいチーズ・バーガーや、もう何から何までいろいろありました。

 そう。MUSICA出してから始めてのフジロックだったから、いろいろな人に雑誌のこと話してもらったりした。
 嬉しいエールも沢山もらったけど、ここではう〜〜ん、なことだけ記します。
 まだ名前をちゃんと呼んでもらえなかったりするんだよね。それが悔しいっす。
 一番多いのが「みゅじか」で、次が「みゅーじっか」。フジロックではいなかったけど、俺、「鹿野さん、『ミュージック・エース』って名前、カッコいいっすね」って言われたこともあるんだよね。
 これを読んでくれている人も、もしかしたら「みゅじか」かもしれないね。
 MUSICAは「ムジカ」と読みます。ラテン語で「音楽」という意味です。
 ここだけでなく、MUSICAのホームページへも遊びに行ったりしてみてください。

 他にもいろいろな参考になる感想もらったりしたし、中には「これより売れてないらしいね」とか、「えっ、そんな。いくらなんでもそんな。もっと全然闘えてます」みたいなこと言われて苦笑いしきりだったり。「あの新聞紙みたいな紙、何とかならないの? そんなに安い紙じゃなきゃ雑誌作れないの?」とか、実際にいろいろな人と会うと、いろいろなダイレクトな意見がもらえて、とても参考になります。性分なのか、褒められた部分より、問題視されたり勘違いされている部分に大切なことがあると思うので、そこからいろいろ見出せるなと思いました。勿論、殆どの人はいい意見をくれたり、いい部分を褒めてくれて、それはそれで何よりもの感謝感謝なんだけどね。
 あの新聞紙みたいな紙はね、コストのためじゃなく、あの紙で行くことにこだわりを持って、実際に細かい風合いや肌さわりまで実験して決めた紙なんだよね。しかも広告や取材ページで使っている紙は、これがコスト・パフォーマンス度外視したハイ・ファッション誌とかで使われている、独特の光沢感を出している特別紙だたりするんだけど。実際にはそのこだわりは届いていないことも多い。単純な話、そのこだわりや風合いを、自分が上手く伝えられていないんだよね。

 MUSICAはまだまだ伝えられていないことが沢山ある雑誌で、そこには続けていく中で浸透していくという経験値もあるのかもしれない。そして、まだまだちゃんと作れていないことも多いと思う。その中で、今のポジションと部数があって、これだけ素晴らしいアーティストやバンドに登場願い、素晴らしい取材の時間を過ごせるのは、本当にこの雑誌は幸せものだなあと思います。すべての関わってくれた皆さん、読んでくれている皆さん、気にしてくれている皆さん、ありがとうございます。

 でももっと行くよ。きっと誰もが「むじか」って読むのが当たり前になる場所へ、とっとと行くよ。



2007/07/22 (日)

ありがとう、本当に


 土曜に開催したHOLIDAY INN BLACK、無事、というか最高の笑顔をもらいながら終了しました。
新しき光のようなバンドのみんな、そして復活を遂げた永遠の才能を持つアーティスト、さらに何よりも参加してくれた楽しみ上手なみんな、どうもありがとうございました! 無上の感謝を抱いています。

 今回のパーティーは得るものも考えることもとても多くて、ちょっとでもそれを書かせてもらおうと思うんですけど……ちょっとね、何かと間に合っていないものが多くて、はは、すいません、ほんとに。
 ………締め切り地獄、というか、締め切り過ぎちゃったもう大変、いやいやごめんなさい地獄を越えたら書かせてもらおうと思います。

 ので、まずは取り急ぎ感謝感謝です。
 今週も慌しく、頑張っていきましょい。
 僕は金曜から苗場でフェス天国三昧になるので、木曜まで一気にぴひゃーっと駆け抜け、人様になるべく迷惑かけぬようにスランプに陥らないように仕事をバキバキにこなしていこうと、硬く思っています。

 じゃあね。
 もう一度。
 HOLIDAY INN BLACKに参加してくれたみんな、そこで楽しんでくれたみんな、僕が茹でたそうめん喰ってくれたみんな、どうもありがとう。また一緒に遊んでください。


2007/07/20 (金)

明日は――!!!!!!



 明日の前に、今日はまず午前中からアンダーワールドのカール・ハイドと、ブンブンサテライツの中野君の対談を敢行した。これ、言っときますけど、画期的に実りある盛り上がりを見せた、意義深い対談になりました。きっとこの2人、近いうちにコラボレートすると、僕は勝手に信じてます。だって、そういう対談なんだから。
 その後、早稲田大学の広告研究会の訪問を受け、彼らが作った「MUSICA応援WEBサイト」のプレゼンを受けました。なんか凄いよかった。こういう人達が雑誌を読んでくれているかと思うと、音楽メディアをやり続けるだけで生きている意味があるなと思ったりしました。ありがとう。
 そして夜には下北沢で銀杏BOYZの取材を。僕、たぶん、峯田君の人生初インタヴューを手掛けさせてもらったと思うんだけど、それ以来のインタヴューをしました。がっつりみっちり、話し合って。そして、ラッシュアワーの下北沢を自由に歩き回って、いろいろな話をしながら撮影をしました。生きてるなぁって。ほんと生きてるなぁって、一緒にいるだけで実感させられます。発狂するほどロマンチックでした。

 街が災害に遭った人も、心が災害に遭った人も、ここにいると思うんです。
 きっとあなたは何かを乗り越えたか、乗り越えようとしている人でしょう。それ自体が、きっとカッコいいことです。僕にはあなたが見えないけど、きっと自分の中できっと一番カッコいい部分がみなぎっていると思います。
 何かがあった時に、生きていることをかみ締めます。どうか、今、この時をかみ締めたり歯軋りしながら、生きまくってください。あなただけじゃない、ここにもそんな人間がいます。


 明日の土曜、僕は東京で祝祭を開きます。ずっとずっとロックとダンスビートが鳴り止まない空間を創ります。
 正直な話、今回のHOLIDAY INN BLACKほど、どんな1日になるのかわからないパーティーはありません。それは、今回は僕がとても驚いた人達に集まってもらっていて、それぞれの人達が「新しい力」を持っているからです。
 サカナクションって最高のバンドでさ、ヴォーカルの山口君はここ最近インタヴューしたニューカマーの中で、最も鼻っ柱が強くて、しかも戦闘的なダンス・クリエイターなんだよね。怒りを胸に、気持ちよく覚醒させてくれるでしょう。
 UNCHAINも、初めてライヴを観た時、思わずステージ2メートル前まで進んでしまいました。あれは39度の熱が出ていた時だ。僕は彼らに恋をしました。このバンドは太陽の子供達だ!と叫びました。そんなこと叫んだことがなかったので、自分でびっくりです。でも、南米のサンバの街のリズムの快楽も、スティーヴィー・ワンダーの闇の中に光る太陽も、日本のロックやポップのサビが映し出す鮮やかな上昇感も、どこかできっと繋がっていて、だから音楽は面白い――そんなことを実証してくれるバンドなんです。
 ジンはね、ありえないっすよ、この集中力は。こんなに自由に張り詰めたロックは、なかなか出会えるもんじゃないですよ。特にここのギタリスト、もうね、ロックのギターってこういうふうに明日を描くんだというほんと10年にひとりの煌めきと才能とセンスを持ちえたすげー奴ですよ。宇宙まで響きますよ、このバンドの緊張感と美しさは。
 そしてMARS EURYTHMICS。馬鹿みたいな言い方しかできなくてごめんなさい、いっそん。でも僕はこのバンドとあなたを観て、素晴らしいロックと素晴らしい人と素晴らしいテンションがあれば、何でもできるし、どんな力でも湧いてくるんだって実感を持つことができました。とびっきりリアルなストーリーテラーないっそんの新しいバンドにベタボレです。
 RYUKYUDISKOの2人のエンターテイメントと、かましと、ロックに撃ってテクノに捧げるビートと、即効性。凄いよね、彼らも遂にメジャー・デビューして、もうアンダーグラウンドを言い訳にしない地点から電子音楽をドロップしまくってます。新しい息吹をきっとDJでもかまし続け、僕らは頭真っ白でずっとずっと覚醒しまくってしまいそうです。
 そして岡村さん、復活心からおめでとう。ビートと人に囲まれるあなたは、本当に音楽の子供です。そんな岡村さんにふさわしいパーティー・グルーヴで自らの復活を自らのDJで祝いまくってください。きっと、そんなあなたをみんな待っていたんです。

 フジロックの1週間前です。フェスの前週祭としてもどうぞ。
 この日、19時からサッカー、アジア・カップの憎きオーストラリア戦です。僕とリキッドと言えば、パブリック・ヴューイングです。この日も19時から、2階ロビーでずっと流すことに今日、決めました。
 あの代表がロングシュート決めたらどんな顔するだろう。
 そんな目的も込みでもどうぞ。

 久しぶりに一緒に遊びましょう。新しくMUSICAの読者になったあなたも、素晴らしいアーティストのプレイと狂騒と、僕の過剰な想いに触れてくれたら嬉しいです。盛り上がるぜ、まずは僕が――。是非あなたも!!

 当日券は、リキッドルーム2階のロビーで14時より販売します。今回、15時から約7時間のパーティーで2000円という頑張った値段の前売りを敢行しました。が、当日券も2500円! まだまだ十分、安いっしょ。その分、大人は呑みまくってください。未成年の方は、タワー・カフェでこのパーティー限定の1コイン・メニュー(500円)ご飯が用意されています。たんと召し上がれい!
 詳しくはリキッドルームのホームページで。
 恵比寿の黒いハコの中で、ロックとビートと共に、あなたを待ってるよ。



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